山本未央税理士事務所

掛川市の税理士、山本未央税理士事務所。税務会計についてご相談ください。

文書作成日:2018/09/04
賞与から控除する源泉所得税額の求め方

[相談]

 私の会社では、従業員の定着率向上のために、4月に前年比3%以上のベースアップを行いました。正直に言って経営状況は非常に厳しいのですが、今退職者が出ると仕事が回らなくなるため、夏の賞与についても他の経費を切り詰めるなどの努力をし、なんとか前年と同額を支給しました。
 ところが、賞与の明細を見た従業員から、
「賞与から控除される源泉所得税が昨年より増え、手取り額が昨年より減少している。賞与の支給額は昨年と同額なので、この計算はおかしいのではないか。」
という質問がありました。
 昨年と今年で、源泉所得税の税率が変わっているのでしょうか?


[回答]

 賞与から控除する源泉所得税の税率は昨年から変更はありません。
 ご相談の場合、定期昇給によって賞与支払月の前月の給与額が昨年より増加したため、賞与に対する源泉徴収税率が増加した可能性が考えられます。


[解説]

1.賞与から控除する源泉徴収税額の求め方

 賞与から控除する源泉所得税率は、賞与支給月の前月の給与額(社会保険料控除後の金額)によって求められます。その税率を、賞与支給額(社会保険料控除後の金額)に乗じて、賞与から控除すべき源泉所得税額が求められることとなります。

(賞与に対する源泉所得税率の具体例)
・賞与支給月の前月の給与額(社会保険料控除後の金額)が250,000円
・扶養親族等の数が0人
 ⇒ 上記の場合は、賞与に乗ずべき税率は4.084%となります。


2.賞与支給額が昨年と同額でも控除する源泉所得税額が昨年と変わる場合

 さて、ご相談の場合は、定期昇給の実施によって今年の賞与支給月の前月の給与額(社会保険料控除後の金額)が昨年の同時期の給与額(社会保険料控除後の金額)より増加しています。このため、賞与に乗ずべき源泉所得税率が昨年より増加した可能性が考えられるのです。
 上記1.の具体例で言えば、賞与支給月の前月の給与額(社会保険料控除後の金額)が252,000円以上になると、賞与に対する源泉所得税率は6.126%に上昇します。
 このように、賞与支給額が昨年と同額でも控除する源泉所得税額が昨年より増える可能性はあるのです。控除する税額が増えれば、当然に賞与の手取り額は昨年より減少することになります。


 したがって、昨年と今年の夏の賞与支払月の前月の給与支給額をご確認いただき、上記のような状況となっていましたら、その旨を従業員にご説明いただくと良いかと思います。


[根拠法令等]
 所法186、復興財確法28など


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