今回は、診療時間の変更による人材不足の解消についての相談です。
先日、診療時間を変更したことで、特定の時間帯に人手が不足しているように感じています。正職員の求人募集をして補おうと考えていますが、なかなか当院が求めている人材からの応募がありません。何か効果的な対策はありませんでしょうか。
新規求人による人材確保だけでなく、いま働いているパート職員を正職員に転換することを考えてもよいかもしれません。求人を行っていることを院内で周知し、パート職員等からの応募を待つほか、個別に正職員への転換について声をかけてもよいでしょう。
1.整備が必要となる正職員への転換推進措置
医院がどのような労働条件で職員を雇用するかは原則として自由ですが、パート職員等※1として雇用した場合、以下のような「通常の労働者※2への転換を推進する措置」を講ずることが義務付けられています。
パート職員等を正職員に転換したり、処遇改善の取組を実施したりする際には「キャリアアップ助成金」を活用できる可能性があります。今回のケースであれば、「正社員化コース」の申請を検討するとよいでしょう。
この助成金の受給にあたっては、基本給、賞与、各手当等について、正職員と異なる制度があり、その制度が6ヶ月以上適用されているパート職員等を正職員に転換することが一つの要件になっています。その他にも細かな要件が設けられていますので、助成金を活用する際には事前にご確認ください。
今後は、労働力不足により採用がさらに難しくなることが想定されます。ライフステージに応じた多様な働き方を整備することにより、人材の定着を進めたいものです。