7月25日の厚生労働省 中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安が発表されました。
今年度は各都道府県の引上げ額の目安は、Aランクが50円、Bランクが50円、Cランクが50円です。
各都道府県に適用される目安のランクは下表のとおりです。
ランク | 都道府県 |
---|---|
A | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 |
B | 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡 |
C | 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
現在の各都道府県の地域別最低賃金額は、以下のサイトでご確認ください。この金額に+50円すると、今年度の最低賃金額(10月施行)を目安として把握することができます。
この「目安」は、昭和53年度から実施されている制度で、地域別最低賃金の整合性を全国的に図るために、地方の最低賃金審議会の審議の参考を示すものとなります。
仮に各都道府県が上記の目安どおりに引上げを行った場合、全国加重平均は1,054円(現在は1,004円)で50円の上昇となります。昨年度は43円引上げと、目安制度開始以来、最大の上昇額となりましたが、今年度はこれもさらに上回る金額が提示されたことになります。
大幅引上げとなった場合に最低賃金を満たしているのかを判断するにあたり、何を賃金とみなしてよいのでしょうか? 例えば、「介護職員等処遇改善加算」を原資とした賃金引上げ分も含めて比較してもよいのでしょうか。これについては今年3月に出たQ&Aに、次のように記載されています。
問1-6 最低賃金を満たしているのかを計算するにあたっては、新加算等により得た加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるのか。
(答)新加算等の加算額が、臨時に支払われる賃金や賞与等として支払われておらず、予定し得る通常の賃金として、毎月労働者に支払われているような場合には、当該加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるが、新加算等の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい。
[出典]厚生労働省事務連絡「「介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A(第1版)」の送付について」
つまり、「含まずに最低賃金をクリアすることが望ましいが、判断するにあたっては含めることとなる。」との解釈です。
8月に入ってから、各都道府県から地域別最低賃金の検討状況や答申発表に関する報道も出てきています。発効は10月中(多くの都道府県が10月初旬)です。注目度が高くニュースなどでも大体的に報道されますので、今後の情報にもご注目ください。
[参考]
厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」